HYBE元社員ら、BTS活動休止発表前のインサイダー取引で有罪判決

【ソウル聯合ニュース】韓国の巨大エンターテインメント企業HYBE(ハイブ)の傘下レーベルに所属する社員と元社員計3名が、人気グループBTS(防弾少年団)のグループ活動休止発表前に未公開情報を利用してHYBE株を売却し、損失を回避したとして、資本市場法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けました。この判決は、K-POP業界における内部情報管理の重要性と、資本市場の公正性維持に対する厳格な姿勢を示しています。

判決詳細と処罰

ソウル南部地裁は22日、この事件の関係者に対し、それぞれ異なる罰則を言い渡しました。まず、ソースミュージックの社員には懲役10か月、執行猶予2年、罰金2億3100万ウォン(約2500万円)の判決が下されました。次に、ビッグヒットミュージックの元社員には懲役6か月、執行猶予2年、罰金5100万ウォン、そしてビリーフラボの元社員にも同様に懲役6か月、執行猶予2年、罰金6500万ウォンが言い渡されました。さらに地裁は、3人全員に対し、未公開の重要情報を利用した株式売却で回避した損失額に相当する追徴金の支払いも命じています。

韓国の人気グループBTSのメンバーがステージ上でパフォーマンスする様子。HYBE関連のインサイダー取引事件に注目が集まる中、グループの活動休止発表が株価に大きな影響を与えた。韓国の人気グループBTSのメンバーがステージ上でパフォーマンスする様子。HYBE関連のインサイダー取引事件に注目が集まる中、グループの活動休止発表が株価に大きな影響を与えた。

BTS活動休止発表と株価変動

有罪判決を受けた3名は、BTSが2022年6月14日にグループ活動休止を発表する動画をYouTubeに投稿するとの情報を事前に把握していました。この情報を利用し、動画が公開される直前に保有していたHYBE株を全て売却することで、合計約2億3000万ウォンに上る損失を回避したとされています。実際に、BTSのグループ活動休止発表の翌日、HYBEの株価は24.87%もの大幅な下落を記録しました。この事実は、グループの活動に関する情報が企業の株価にどれほど敏感に影響するかを明確に示しています。

裁判所が指摘する問題の重大性

ソウル南部地裁は、今回の犯行について厳しく指摘しました。「エンターテインメント企業の場合、所属アーティストの活動が売り上げにかなりの影響を与えるため、活動休止は敏感な事案である」と述べ、この事件が未公開重要情報を悪用した行為であり、資本市場の公正性を著しく損なう重大な犯罪であるとしました。そして、「社会的に高い非難を受ける可能性が高い」と強調し、同様の行為に対する厳しい警告を発しました。

結論

今回のHYBE元社員らに対する有罪判決は、エンターテインメント業界における内部情報の取り扱いと、株取引における倫理的責任の重要性を改めて浮き彫りにしました。資本市場の健全性と透明性を確保するためには、未公開情報の厳格な管理と、インサイダー取引に対する断固たる法的措置が不可欠であることが示されています。

参考文献

  • 聯合ニュース (YONHAPNEWS)