TBSの報道番組『報道特集』(土曜午後5時30分)は26日、参院選で14議席を獲得した参政党を取り上げ、「参政党のメディア“排除”を問う」特集を放送しました。批判記事を執筆した神奈川新聞の記者を定例会見から排除した問題を通じ、報道の自由の是非について深く掘り下げています。
記者会見からの排除と問題点
番組では、党のスタッフが事前登録がないとして記者に退出を迫るやり取りを放送しました。しかし、取材要項には事前登録が必要との記載はなく、排除の根拠が曖昧な点が浮き彫りになりました。
TBS社屋 赤坂 報道特集 参政党 メディア問題
ジャーナリズム専門家の見解
ジャーナリズムに詳しい早稲田大学の澤康臣教授は、今回の問題に対し「メディア同士が連携し、声を上げるべきだ」と提言。さらに、「市民に必要な情報には政治家にとって都合の悪いものも含まれるが、それが伝わらなければ、情報を受け取る市民全体の不利益につながる」と述べ、報道の自由と情報公開の重要性を強調しました。
過去の『報道特集』と参政党の対立
『報道特集』は選挙期間中、「争点に急浮上“外国人政策”に不安の声」と題した報道で参政党を取り上げました。番組内で山本恵里伽アナウンサーの発言が物議を醸し、参政党は番組内容が「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く」とTBSへ抗議し、訂正を要求。これに対し番組側は、参院選の争点であることを踏まえ、「排外主義の高まりへの懸念を、客観的統計や様々な当事者、専門家の声を中心に問題提起した」と説明し、報道の公共性・公益性を主張しました。
党からの回答拒否
同番組は、今回の記者会見出席拒否について参政党に取材を申し入れましたが、期限までに回答は得られなかったとしています。
今回の参政党によるメディア排除問題は、政治と報道機関の関係、そして民主主義社会における情報公開のあり方について重要な問いを投げかけています。有権者が多角的な情報で判断を下すためにも、メディアの自由な取材と透明性のある情報提供は不可欠です。