【北京=三塚聖平】中国国営新華社通信は3日、最高指導部メンバーの蔡奇・共産党政治局常務委員が河北省の避暑地・北戴河で、ハイテクなどの各界専門家と面会したと伝えた。党幹部らが集まって非公式に意見交換する「北戴河会議」が始まったもようだ。10月に党の重要会議が開かれるのを前に、次期5カ年計画の議論などが行われるとみられる。
習近平総書記(国家主席)の委託を受けた蔡氏は、専門家らに「科学技術強国」などの推進へ貢献を求めた。党の人事を統括する中央組織部長の石泰峰氏も同席した。
北戴河では毎年夏、現役指導部や引退した長老、有識者らが集まって非公式に意見交換を行っている。「北戴河会議」は通称であり、内容のみならず開催の有無も公表されていない。引退幹部の影響力が以前と比べて低下したことにより、「(北戴河会議の)重要性が薄れた」(シンガポールメディア)という見方が強まっている。
非公式に調整が進められるとみられるのが第15次5カ年計画(2026~30年)。共産党は7月30日の中央政治局会議で、10月に党の重要会議、第20期中央委員会第4回総会(4中総会)を開いて第15次5カ年計画について議論することを決めた。経済やハイテク分野を巡る対立が激化している米国をにらみ、今後の経済・産業政策の在り方が課題となる。また、汚職疑惑による党幹部の失脚が相次ぐ中、幹部人事も話題になる可能性がある。