アパレル会社元代表ら横領容疑で逮捕 司法取引3例目 東京地検特捜部 





アパレル会社「GLADHAND」を捜索した東京地検特捜部の係官ら=26日、東京都渋谷区(宮野佳幸撮影)

 東京地検特捜部は10日、売上金を着服したとして、業務上横領容疑で、東京都渋谷区のアパレル会社「GLAD(グラッド)HAND(ハンド)」元代表取締役、幸田大祐容疑者(41)=港区=と、元役員、広山寛治容疑者(40)=杉並区=を逮捕した。着服に関与した経理担当の元社員が特捜部との司法取引に合意し、捜査に協力していた。

 逮捕容疑は、2人は共謀し、今年7月中旬から8月中旬にかけて5回にわたり、同社の世田谷区の事務所で管理していた売上金のうち、約500万円を着服したとしている。

 関係者によると、幸田容疑者らはセールで商品を販売価格から値引きしたように装い、実際の売上金との差額を現金で保管。不正経理は現在の社名になった平成21年から10年間にわたって行われ、着服した総額は2億円近くに上るとみられる。幸田容疑者は一部を私的に流用していたという。

 経理担当の元社員は、どの商品をいくら値引きしたように装ったかなどを記録した「裏帳簿」を特捜部に提出。捜査に協力する代わりに、元社員の起訴を見送る内容で司法取引に合意したとみられる。

 今年6月以降、不正を把握した会社関係者が特捜部に申告。特捜部は元社員との協議を開始し、11月下旬に司法取引に合意した。特捜部は同月26日に同社関係先を家宅捜索していた。

 司法取引は共犯者ら他人の犯罪の捜査・公判に協力する見返りに、刑事処分を軽減する捜査手法。昨年6月の制度開始以降、日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)らが起訴された事件などに続き、今回で3例目とみられる。



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