モハメド・サラー選手、ガザで死去のサッカー選手に関するUEFA声明を批判

サッカーのイングランド・プレミアリーグ、リバプールに所属するエジプト代表のモハメド・サラー選手が、パレスチナ自治区ガザ地区で死亡した元パレスチナ代表選手、スレイマン・アル・オベイド氏(通称「パレスチナのペレ」)に関する欧州サッカー連盟(UEFA)の声明内容が不十分であると批判の声を上げた。アラブ圏で最も知名度の高いサッカー選手の一人であるサラー選手は、UEFAがソーシャルメディアに投稿した声明がアル・オベイド氏の死の経緯に触れていない点を問題視している。

UEFA声明とモハメド・サラー選手の反論

サッカーの国際的なスター選手であるモハメド・サラー選手は、欧州サッカー連盟(UEFA)がソーシャルメディアプラットフォームX(旧ツイッター)に投稿した声明の内容に対し、疑問を呈した。UEFAは「『パレスチナのペレ』スレイマン・アル・オベイドさんに別れを。最も暗い時代にも数え切れない子どもたちに希望を与えた才能」と故人を追悼するメッセージを発信。しかし、サラー選手はこれに対し「彼がどうやって、どこで、なぜ亡くなったのか教えてくれませんか」と即座に反論した。この彼の投稿は瞬く間に84万件以上の「いいね」を獲得し、国際的な反響を呼んだが、UEFAは現時点で公的な追加コメントを発表していない。

リバプールに所属し、ガザでのサッカー選手死亡に関するUEFA声明について批判したエジプト代表FWモハメド・サラー選手リバプールに所属し、ガザでのサッカー選手死亡に関するUEFA声明について批判したエジプト代表FWモハメド・サラー選手

「パレスチナのペレ」スレイマン・アル・オベイド氏の悲劇的な死

パレスチナサッカー協会(PFA)の発表によると、スレイマン・アル・オベイド氏は元パレスチナ代表選手であり、南部ガザで援助物資を待つ市民を標的としたイスラエルの攻撃によって命を落とした。ガザ市出身のアル・オベイド氏は享年41歳で、その長い選手生活を通じて100得点以上を記録し、卓越した才能とサッカーへの献身から「パレスチナのペレ」と広く称賛されていた人物だ。PFAはまた、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長から、アル・オベイド氏の死を悼むアラビア語の声明が送られたことを公表。声明では、アル・オベイド氏が「苦難の中でも喜びや才能、誇りが花開くことを示し、ガザやそれ以外の地域の子どもたちに明るい未来への希望を与えた」と述べられている。

ガザ紛争がパレスチナサッカー界にもたらす深い傷跡

2023年10月にイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲が発生して以来、パレスチナサッカー協会(PFA)は、ガザ地区を中心に選手、監督、審判、コーチ、スタッフら325人ものサッカー関係者が死亡したと報告している。スレイマン・アル・オベイド氏の死は、この悲劇的な犠牲者リストに新たに加わった一人であり、紛争の深刻な影響を示している。リバプール所属のスター選手、モハメド・サラー氏がこの件について声を上げたことは、ガザ地区の現状とパレスチナサッカー界が直面する困難に対する国際社会の関心を一層高めるものとして注目される。

今回のモハメド・サラー選手によるUEFA声明への批判は、ガザ地区における人道的危機、特にスポーツ界の犠牲者に関する情報透明性の重要性を浮き彫りにした。彼の発言は、単にサッカー界の問題に留まらず、より広範な人権と情報開示の要求へと繋がるものとして国際社会の注目を集めている。


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