俳優の妻夫木聡(44)が、今年10月スタートのTBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で主演を務めることが発表され、大きな注目を集めています。かつて自身の主演作で厳しい評価に直面した日曜劇場への復帰は、“リベンジ”への期待を背負った挑戦となります。
新日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の全貌
『ザ・ロイヤルファミリー』は、「JRA(日本中央競馬会)賞馬事文化賞」を受賞した早見和真氏の同名小説が原作です。物語は、元税理士・栗須栄治(妻夫木聡)を主人公に、競馬に人生を捧げる人々の夢と情熱に満ちた20年間を描き出します。JRAが全面的に撮影をバックアップし、馬主、調教師、騎手といった競馬関係者も協力。実際の競馬場での撮影も予定されており、リアリティ溢れる描写が期待されます。
最新ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』で日曜劇場主演を務める俳優・妻夫木聡
脚本は映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)を手掛けた喜安浩平氏。演出(監督)には、『アンナチュラル』(2018年1月期)や『最愛』(2021年10月期)など、数々のTBSヒットドラマを生み出してきた塚原あゆ子氏が名を連ねており、強力な制作陣が結集しています。
過去の日曜劇場主演作と“リベンジ”への期待
妻夫木聡にとって、『ザ・ロイヤルファミリー』は、『Get Ready!』(2023年1月期)以来2年ぶり、4回目となる日曜劇場主演作です。特に『Get Ready!』は、正体不明の闇医者チームの活躍を描くダークな医療エンタテインメントでしたが、全話平均世帯視聴率9.4%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と一桁に留まり、最終回では6.4%という異例の低視聴率を記録しました。最終回が低視聴率となった背景には、同時間帯に放送された『2023ワールド・ベースボール・クラシック』の日本戦(世帯43.2%)という特殊な事情がありましたが、ドラマライターのヤマカワ氏は、序盤での「チープすぎる」「リアリティがない」といった酷評や、脚本家が6人体制であったことなども指摘しています。
このため、ネット上では「妻夫木と日曜劇場も『危険なビーナス』(2020年10月期)、『Get Ready!』とコケ続き。大丈夫?」といった懸念の声も上がる一方で、「前の医療ドラマはあまり面白くなかったけど今度は期待する」といった今回の作品への期待も寄せられており、まさに“リベンジ”が注目されています。
朝ドラ『あんぱん』での活躍と存在感の確立
そんな中で、妻夫木聡は現在放送中のNHK連続テレビ小説『あんぱん』での名演技により、その存在感をこれまで以上に増しています。今田美桜(28)主演の『あんぱん』は、国民的キャラクター・アンパンマンの生みの親である漫画家やなせたかしさんと小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした物語です。妻夫木聡は柳井嵩(やなせたかしさんをモデルにした役)を演じており、史実を踏まえると『ザ・ロイヤルファミリー』の放送開始直前まで、物語の終盤で重要な役割を果たすと見られています。朝ドラでの安定した活躍は、彼の俳優としての評価をさらに高め、新日曜劇場への追い風となることが期待されます。
まとめ
妻夫木聡が主演するTBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬を舞台にした人間ドラマとして、その骨太なテーマと強力な制作陣によって大きな期待が寄せられています。過去の日曜劇場での経験を踏まえ、今回の作品が「日曜劇場俳優」としての彼の地位を確固たるものにする“リベンジ”となるのか、そして朝ドラ『あんぱん』での活躍がどのように相乗効果を生み出すのか、今後の展開から目が離せません。
参考文献
- 早見和真 著 『ザ・ロイヤルファミリー』
- TBS 日曜劇場 公式サイト
- ビデオリサーチ 視聴率データ
- NHK 連続テレビ小説『あんぱん』公式サイト