ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、和平への糸口を探る動きが活発化しています。日本時間19日未明、アメリカのドナルド・トランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領による重要な会談が、ホワイトハウスで行われました。両首脳は、世界の注目が集まる中で、ウクライナ紛争の終結に向けた自身の見解と期待を表明し、今後の平和交渉の可能性を示唆しました。
ホワイトハウスでの重要会談:両首脳の発言
会談冒頭、記者団に公開された約26分間のやりとりでは、まずトランプ大統領が口火を切りました。彼はゼレンスキー大統領が同席していることに触れ、「多くの有意義な話し合いを重ね、多くの良い会談を重ねてきた。状況は進展していると思う」と述べ、対話を通じた進展に期待を示しました。さらに、先日ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とも「良好な会談」を行ったことに言及し、「この会談から何かが生まれる可能性があり、今日の会談は非常に重要だ」と、自身の和平仲介への意欲を強調しました。この会談の直後には、ヨーロッパの有力な首脳7名との会談も予定されており、国際社会がこの紛争解決に注ぐ関心の高さが伺えました。
ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領からの招待に深く感謝の意を表明し、特に「殺害を止め、この戦争を終結させるために個人的にご尽力いただき、深く感謝申し上げる」と述べました。また、米国のファーストレディーに対し、ロシアに拉致されたウクライナの子供たちに関する手紙を送ってくれたことへの感謝を伝え、自身の妻、ウクライナのファーストレディーが送った手紙にも言及しました。彼は「このデリケートな問題について話し合う」とし、この話し合いの形式を支えてくれた欧州諸国(イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、EU、NATO、そしてウクライナの周辺国)の首脳たちにも感謝を表明しました。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領がホワイトハウスで握手を交わす歴史的な会談の様子
ウクライナ紛争終結への見解と米国の役割
記者団からの質疑応答では、ウクライナ紛争の終結に向けた具体的な見通しについて議論が交わされました。ゼレンスキー大統領が「ロシアは自ら始めたこの戦争を終わらせなければならない」と投稿したことに対し、トランプ大統領は、もしゼレンスキー大統領が望めば「ロシアとの戦争をほぼ即座に終わらせることができる」と自身の立場を明確にしました。さらに、「きょう全てがうまくいけば、3者会談が行われると思う。そうすれば、戦争を終わらせる十分なチャンスがあると思う」と述べ、多角的な対話が紛争解決に繋がる可能性を示唆しました。
アメリカのウクライナ支援継続に関する質問に対して、トランプ大統領は「そうは決して言えない。決して終わりではない」と断言しました。彼は「人々が殺されており、我々はそれを止めたい」と、人道的な観点から紛争終結への強い意欲を示し、「我々にはそれを成し遂げる十分な可能性があると思う」と自信を覗かせました。長期化する紛争の現状に触れ、「多くの人が殺されてからほぼ4年が経ち、先週も多くの人が殺された。何百万人もの人が殺されたが、先週はどういうわけか非常に多くの人々、多くの兵士が、両側で殺された」と述べ、紛争による甚大な被害を強調しました。トランプ大統領は、自身もゼレンスキー氏もプーチン氏も、この状況を終わらせたいと強く確信していると語りました。
プーチン大統領との会談とゼレンスキー大統領との会談を経て、どちら側が有利だと考えているかとの質問には、「それは言いたくない」とコメントを避けました。彼はこの紛争を「これは私の戦争ではない。これはジョー・バイデン前大統領の戦争だ」と表現し、前政権が事態に深く関与しているとの認識を示しました。しかし、最終的には「全ての人にとっていい形で終わらせたい。ウクライナの人たちは信じられないほど苦しみを味わってきた」と述べ、ウクライナ国民の苦境に寄り添う姿勢を見せました。
今回のトランプ氏とゼレンスキー氏の会談は、長期化するウクライナ紛争に新たな動きをもたらす可能性を秘めています。両者の直接対話、そしてトランプ氏のロシアおよび欧州各国首脳との連携への言及は、国際社会が平和への道筋を模索する上で重要な一歩となるでしょう。多くの命が失われ、国民が苦しむ現状を打開するため、今後の進展が注目されます。
参考文献:
- FNNプライムオンライン. (掲載日不明). ロシア・ウクライナ戦争「終わらせる十分なチャンスある」トランプ大統領 ゼレンスキー氏と会談. Yahoo!ニュースより引用.
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b2e4a522db8bb6ad288f06f9a9fcf4a27b37d19