静岡県伊東市の田久保眞紀市長に持ち上がった学歴詐称疑惑は、連日大きな波紋を広げ、日本中の注目を集めています。東洋大学を卒業後に起業し、市議会議員を2期半ばまで務めた後、2025年5月に市長に就任したとされていましたが、当選後、実際には同大学を卒業しておらず、除籍処分を受けていたことが判明しました。伊東市議会では百条委員会が設置され、田久保氏がかつて提出したとされる卒業証書の真偽を含め、この重大な学歴詐称問題に関する徹底的な調査が進められています。この騒動の中、彼女の学生時代の「地味な素顔」が報じられた“派手な過去”と大きく異なることが、同級生らの証言によって次々と明らかになっており、そのギャップが新たな関心を集めています。
伊東市長の学歴詐称疑惑、百条委員会で調査進む
田久保眞紀伊東市長に関する学歴詐称疑惑は、現在、市議会に設置された百条委員会で詳細な調査が進められています。問題の核心は、田久保氏が東洋大学を卒業したと公言していたにもかかわらず、実際には卒業しておらず、除籍されていたという点です。この事実は市長選当選後に発覚し、市民の間で大きな不信感を招いています。百条委員会は、過去に田久保氏が議長らに提示したとされる大学の卒業証書の真偽を巡る調査を通じて、一連の疑惑の真相解明を目指しています。この問題は、公職に就く者の信頼性に関わる極めて重要な課題として、その動向が注視されています。
伊東市議会の百条委員会に出席する田久保眞紀市長、学歴詐称疑惑の渦中
報じられた“派手な過去”と“地味な素顔”のギャップ
これまでの報道では、田久保市長の趣味はバイクで、愛車は真っ赤なスズキのスイフトであると伝えられてきました。「週刊文春」による大学時代の同級生の証言では、彼女がロックバンドのボーカルを務め、「金髪でギターを背負ったバンドマン風の彼氏と同棲していた」という、華やかなイメージが報じられています。しかし、この報道とは裏腹に、本誌が取材した田久保氏の中学時代の同級生に見せてもらった卒業アルバムには、当時のイメージとはかけ離れた“地味すぎる”彼女の姿が写っていました。この、報じられた派手な学生時代と、実際に同級生が記憶する地味な素顔との間の大きなギャップが、今回の学歴詐称疑惑と共に注目を集める要因となっています。
中学時代の転校生、記憶に残る“無理やり笑顔”
田久保市長の中学時代の同級生は、彼女が中学3年生の1学期に千葉県船橋市から伊東市立北中学校に転校してきたと証言しています。ちょうど受験期に差し掛かろうとしていた時期だったため、同級生の間で彼女との思い出はあまり多く作られなかったといいます。卒業アルバムを紐解いても、個人写真以外に彼女の姿を見つけることは困難で、モノクロの集合写真の中では、おさげ姿の若き田久保市長が、どこか“無理やりに笑顔を作っている”ようにも見えました。この証言と写真は、現在の公的なイメージや過去に報じられた華やかな学生生活とは対照的な、控えめで内向的な側面を浮き彫りにしています。
高校時代の“陰キャ”?同級生が語る意外な素顔
中学時代と同様、高校時代の田久保市長の素顔もまた、意外なものでした。高校時代の同級生の一人は、「おとなしい生徒だったという印象しかない」と振り返ります。受験期の高校3年生で同じクラスになったものの、成績が特段良かったという記憶もなく、異性からモテたという話も聞かなかったといいます。卒業後、Facebookで彼女から「城ヶ崎の方でカフェをやっているんだ~」と連絡があり、「行くね」と返したものの、結局行かずじまいだったという、どこか“微妙な距離感”を感じさせるエピソードも明かされました。
別の高校時代の同級生も、彼女についての印象は薄いと語ります。「クラスの中心人物なんてことは全くなく、当時も友達はほとんどいなかったんじゃないんですかね。こういう言い方をするとアレですが、今でいう“陰キャ”でしたね」と、当時から目立つ存在ではなかったことを示唆しています。「バンドだバイクだ、と彼女について報じられているのを見ましたが、当時からは全く想像できませんよ。歌なんか聞いたこともない」と、現在の報道内容に驚きを隠せません。最近話した男子の同級生からは「学生当時は全く意識しなかったけど、今振り返るとかわいかったかも」という声も聞かれたそうですが、「報じられている大学以降の彼女の姿と、私の記憶があまりにも違うので、『大学デビューしたのかな』と勘ぐってしまいました」と、同級生は語っています。
高校時代の卒業アルバムに写る、聖子ちゃんカットで地味だった頃の田久保眞紀氏
「大学デビュー」と地元との距離感
環境が大きく変わる大学進学を機に、自身のキャラクターやイメージを一新する「大学デビュー」は、よくある話です。東京に進出しての“デビュー”だったからか、田久保市長の高校卒業後については、同級生間でも詳しい話は出てこなかったといいます。「東洋大学に進学していたということも、今回の騒動で初めて知りましたよ」と語る同級生もおり、卒業後も連絡を取り合っている同級生は限られているようです。
彼女が市議選に出馬したことは、地元のことであったため多くの同級生が知るところとなりましたが、「あの田久保さんが政治家に?」と驚きの声が上がったそうです。同級生らは、「彼女は、みんなをまとめて引っ張っていくような性格じゃありませんでしたから」と、その意外性を語っています。伊東市に住む同級生がまだ多くいるにもかかわらず、選挙の時も今も、彼女が同級生を頼るそぶりは見せないといいます。「私たちのことを見ていないかのような気がして……少し寂しいですね」と、地元との間に感じる距離感について語る同級生の言葉には、複雑な感情が滲みます。
聖子ちゃんカットからライオンヘアへ:外見の変化と現在の課題
中学時代のおさげ髪とは異なり、3年間通った高校の卒業アルバムには、個人写真のほか、放送委員として体育祭で楽しそうにアナウンスする田久保氏の姿が写っています。そこには、中学時代からの大きな変化として、髪型が当時の流行であった「聖子ちゃんカット」になっている点が挙げられます。「松田聖子さんの髪型をみんなマネして、1980年代当時に大流行していましたからね。田久保さんも流行に乗ってこの髪型にしたんでしょう。あるいは、“大学デビュー”の下準備として、卒業間際にイメチェンしてみたのかも」と、同級生は推測しています。
市長になった現在、田久保氏の髪型は、支持者から勇ましい「ライオンヘア」と呼ばれています。学歴詐称疑惑という市長就任早々の大逆風に直面し、これまでのイメージや過去の姿とのギャップが浮き彫りになる中、彼女がこの難局をどのように乗り切り、市政への信頼を取り戻していくのか、その手腕が試されています。
結論
伊東市の田久保眞紀市長に持ち上がった学歴詐称疑惑は、彼女の公的なイメージと学生時代の地味な素顔との間に存在する大きなギャップを浮き彫りにしました。中学・高校時代の同級生らの証言は、報道で伝えられた「派手な過去」とは異なる内向的な人物像を描き出し、「大学デビュー」の可能性や、地元との間に生じた距離感を暗示しています。この疑惑は、公職に就く者の信頼性という根本的な問題に深く関わっており、百条委員会の調査を通じて真実が明らかにされることが、市民の信頼回復に不可欠です。田久保市長がこの大きな試練をいかに乗り越え、透明性のある説明責任を果たしていくのか、その動向が今後も注視されるでしょう。