【ソウル=藤原聖大】日米歴訪中の韓国の李在明(イジェミョン)大統領は24日、日韓首脳会談の合意文書「共同プレス発表」に具体的な歴史問題が盛り込まれなかったことが韓国内で批判されていることについて「覚悟していた」と述べた。日本から米国に向かう機内で韓国報道陣の質問に答え、聯合ニュースが25日、報じた。
元慰安婦支援団体「正義記憶連帯(正義連、旧挺対協(ていたいきょう))」は24日、「実用外交の名の下、歴史の正義が覆い隠された首脳会談だった」と非難する声明を出していた。
李氏は日韓の歴史、領土問題を「以前から是正すべきだと話してきた」としながらも「解決しないからといって経済や安全保障、国民協力を放棄する必要はない」と述べ、自ら掲げる国益重視の実用外交の重要性を訴えた。「満足できる水準で完全に解決すれば最も良いが、世の中にそのようなことはない。いつも相手がいるからだ」とも話した。
李氏は「理解の幅が広がり、配慮が深まれば、歴史問題についてもはるかに前向きな措置が可能だろう」とし、「少し時間をくれれば歴史問題や領土問題で目に見える成果を出せる」と語った。