神戸マンション殺人事件:谷本容疑者、事件前日からストーカー行為か?周到な計画と過去の類似犯行が明らかに

神戸市中央区のマンションで今月20日、会社員の片山恵さん(24)が刺殺された事件は、日本社会に大きな衝撃を与えています。殺人容疑で逮捕された谷本将志容疑者(35)が、事件前日から片山さんの勤務先周辺を徘徊していたことが、防犯カメラの映像から判明しました。この周到な行動と、過去にも同様の手口で女性を狙った犯行を繰り返していた事実が、捜査関係者の調査で次々と明らかになっています。

谷本容疑者の周到な行動と事件の経緯

捜査関係者の情報によると、谷本容疑者は2022年まで神戸市内の建築会社に勤務していましたが、2023年5月頃からは東京都内の運送会社で住み込みとして働いていました。今月17日から21日まで休みを取り、17日には神戸市中央区内のホテルにチェックイン。この神戸への滞在が、計画的な行動の始まりであったことがうかがえます。

複数の防犯カメラの映像には、事件前日の19日、谷本容疑者がホテルから数百メートル離れた片山さんの勤務先周辺を繰り返しうろつき、時には座り込んでいる姿が記録されていました。そして事件当日である20日、午後6時30分頃、谷本容疑者は勤務先が入るビルの向かい側の歩道から道路を横断し、ビル内を覗くような不審な行動を見せました。その直後、ビルから出てきた片山さんを尾行し始めたのです。

神戸のマンション殺人事件、事件前日に被害者勤務先付近を徘徊する谷本将志容疑者の防犯カメラ映像神戸のマンション殺人事件、事件前日に被害者勤務先付近を徘徊する谷本将志容疑者の防犯カメラ映像

片山さんはその後、阪神電鉄西元町駅から電車に乗車し、神戸三宮駅で降りて買い物を済ませた後、ポートライナーの貿易センター駅で下車しました。この一連の移動中、谷本容疑者は執拗に片山さんの後をつけ続け、午後7時21分、片山さんがマンションのオートロックの扉を開けて入る際に、その後に続いて侵入したとされています。そして、マンション内で悲劇的な事件を起こしました。

事件後、谷本容疑者はマンションから徒歩で北へ逃走し、タクシーに乗車。ホテルに戻って自身のスーツケースを回収した後、午後8時頃に新神戸駅付近で降車しました。そこから新幹線に乗り、東京方面へ逃走を図りました。現場に残された遺留物と複数の防犯カメラ映像の分析により、21日には谷本容疑者の関与が浮上し、翌22日夕方、警視庁の捜査員が東京都奥多摩町の路上で谷本容疑者を発見・逮捕に至りました。

神戸マンション殺人事件における谷本将志容疑者の事件当日の移動経路を示す地図神戸マンション殺人事件における谷本将志容疑者の事件当日の移動経路を示す地図

過去にも同様の手口で犯行

谷本容疑者には、3年前に神戸市東灘区に住んでいた際にも傷害事件などを起こし有罪判決を受け、現在執行猶予中であったという事実が判明しています。裁判記録によると、2022年1月から5月の間に、谷本容疑者は路上で見かけた女性に一方的に好意を抱き、同市内のマンションで4回にわたり、オートロック式の自動扉を開けた女性の後について侵入していました。そして、同年5月下旬には、女性が帰宅した際に室内に押し入り、首を絞めるなどの暴行を加え、けがを負わせるという重大な事件を起こしていました。

まとめ

神戸市中央区で発生したマンション殺人事件は、谷本将志容疑者の周到な計画性と、過去の類似犯行との関連が浮上し、その深刻さを増しています。防犯カメラに記録された事件前日からのストーカー行為、そしてオートロックマンションへの侵入手口は、執行猶予中の身でありながらも再び同様の犯罪に手を染めた可能性を示唆しています。本事件は、ストーカー対策や集合住宅の防犯対策の強化、そして再犯防止に向けた社会全体の取り組みの重要性を改めて浮き彫りにしています。

参考文献