愛知県蒲郡市は29日、庁舎新館(1980年完成)を誤って図面より西寄りに建設していたために、周辺に生じる日影を規制する建築基準法に長年にわたって違反していたと発表した。県から是正措置を指示されており、新館西側の最上部の一部を取り壊すなどして違反状態の解消を図る。
新館は地上9階地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造り。北側の本館(61年完成)と一部がつながっている。
市によると、新館は市から業者に提供された本館の図面などを基に設計された。だが、2023年に駐車場の整備を進めた際、本館の位置に元々図面とのずれがあることが判明。結果として新館は設計時の配置図より3・8メートル西寄りに建てられていた。
このずれが原因で、一年で最も日照時間が短い冬至の日を基準として、一定時間以上近隣に日影を生じさせないよう定めた建築基準法の「日影規制」に違反していたことも明らかになった。本来は新館を設計する際に現地を測量し直す必要があったが、怠っていたという。
建物や敷地が日照被害を受けていたのは庁舎の北西にある住宅など4軒で、市は既に説明と謝罪をした。新館西側の工事は28年夏に完了する予定。
同市の鈴木寿明市長は記者会見し「大変重く受け止めている。深く陳謝する」と述べた。【永海俊】