ドナルド・トランプ米大統領が治安対策を理由に首都ワシントンD.C.へ州兵を派遣した件で、兵士たちが街中のゴミ拾いに従事する動画が拡散され、世論の大きな話題を呼んでいます。本来の任務とは異なる活動に、SNS上では戸惑いや皮肉の声が相次いでいます。
治安対策 vs. 市長の反論:食い違う見解
トランプ米大統領によるワシントンD.C.への州兵配備から約3週間が経過しました。大統領はこれを「治安対策」として正当化していましたが、ミューリエル・バウザー市長は「ワシントンの暴力犯罪は過去30年間で最低水準にある」と述べ、その必要性を公に否定していました。この状況下で、州兵たちの実際の活動内容が注目を集めています。
拡散される映像:兵士たちの「美化活動」
ドナルド・トランプ大統領の指示で配備された州兵が清掃活動に従事する場面
話題となっている動画には、迷彩服を着た州兵たちが街中に落ちるゴミを丁寧に拾い集める姿が捉えられています。米ワシントン・ポスト紙の報道によれば、これらの州兵は造園作業やゴミ収集といった「美化業務」に当たっていたとされます。ある州兵は、「一市民としては良いことだと思うが、われわれには他にできることがあるはずだ」と、自身の任務に対する複雑な心境を語っています。
SNSでの世論の反応:皮肉と批判
この動画がSNS上で拡散されると、ユーザーからは様々な声が寄せられました。「”犯罪対策”に大忙しだね」「家族や仕事を離れて行き着く先がトランプの清掃班とは」「州兵募集のPR動画としては史上最悪。『州兵の仕事は……ゴミ拾い?』」といった皮肉や批判が噴出しました。さらに、「清掃員の制服としてしばしば移民の象徴にもなる『蛍光オレンジのベスト』と『迷彩服』の組み合わせが、まさに今の政権を視覚的に例えている」という、体制への痛烈なコメントも見られました。この出来事は、政府の行動と現実の乖離を浮き彫りにし、多くの人々に疑問を投げかけています。
まとめ
ドナルド・トランプ政権によるワシントンD.C.への州兵派遣は、「治安対策」という当初の目的と、兵士たちが実際に行った「ゴミ拾い」という活動内容のギャップにより、大きな波紋を呼んでいます。市民や兵士自身の声、そしてSNS上の厳しい意見は、この軍事配備の真の意図とその効果について、社会的な議論を促すものとなっています。
参照元
- BuzzFeed Japan / Yahoo!ニュース: トランプ大統領がワシントンに派遣した州兵は「ゴミ拾い」をしていた