本日、秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまの成年式が執り行われます。これは男性皇族としては、父である秋篠宮殿下以来40年ぶりの慶事として注目を集めています。しかし、この重要な儀式を巡り、いくつかの「異例」が波紋を広げています。一つは、小室圭さん・眞子さんご夫妻が「遠方であり幼い子もいる」ことを理由に式典への出席を見送ったこと。そしてもう一つは、式当日の夜に帝国ホテルで開催される内宴に、愛子さまが出席されないという事実です。なぜこのような状況に至ったのか、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏がその背景を詳しく解説します。
悠仁さまの成年式を控えたお姿。皇室の重要な節目を迎える親王殿下。
愛子さま内宴欠席の背景:公務優先の判断
愛子さまが成年式の夜の内宴を欠席されることに対し、一部では疑問の声も上がっています。「内宴に出席してから新潟に向かえばよいのではないか」という意見も見受けられますが、山下氏はこの日程調整の複雑さを指摘します。
山下氏によれば、愛子さまは9月6日から新潟で開催される「防災推進国民大会2025(通称・ぼうさいこくたい)」に臨席される予定です。成年式の中心儀式である「加冠の儀」には参列されるものの、夜の内宴には出席せず、そのまま新潟へ向かわれるといいます。
「愛子内親王殿下の『ぼうさいこくたい』への臨席は、かなり前から調整が進められていたと推測されます。『ぼうさいこくたい』は今回で10回目を迎える節目となる大会ですが、これまでに皇族の臨席は一度もありませんでした。主催の内閣府としては、大会の周知と重要性を示すためにも、どなたかの臨席を強く希望されたのでしょう」と山下氏は語ります。
さらに、愛子さまがこの大会に最もふさわしい人物である理由も明確です。愛子さまは日本赤十字社の常勤嘱託職員であり、「ぼうさいこくたい」には日本赤十字社も深く関わっています。また、愛子さまご自身がボランティアの普及や育成に熱心に取り組んでおられることから、この公務への臨席が決定されたとのことです。山下氏は「むしろ後から決まったのが、悠仁親王殿下の成年式の日程だったと言えるかもしれません」と付け加えています。
悠仁さま成年式、19歳での開催が「異例」である理由
もう一つの大きな波紋は、悠仁さまの成年式が19歳の誕生日である9月6日に行われることです。この決定は、皇室関係者の間でも驚きを持って受け止められています。
山下氏は「成年式が9月6日に行われるとの発表を聞いて驚きました。この日は悠仁親王殿下の19歳の誕生日ですから」と率直な感想を述べています。かつて、天皇や皇太子の成年は満18歳でしたが、他の皇族は満20歳と定められていました。しかし、2022年の民法改正により成年年齢が18歳とされてからは、皇族の成年も全て18歳に統一されました。悠仁さまは、この改正後の最初の成年皇族となります。
宮内庁は昨年3月、公式ホームページで「親王殿下には、高校生活を締めくくる年を有意義に過ごしていただき、その上で、高校ご卒業(令和7(2025)年3月)以降の適切な時期に成年式を執り行っていただきたいと考えております」と発表していました。この発表を受け、多くの関係者は遅くとも18歳の最終日である9月5日までには成年式が執り行われるものと考えていました。しかし、実際には19歳の誕生日当日という異例のタイミングとなったのです。
成年式の歴史と悠仁さまのケース:過去の事例との比較
成年となってから1年以内に成年式を行わなければならないという明確な決まりはありませんが、戦後に行われた7回の成年式のうち、成年となる誕生日に式が行えなかったのはわずか2例しかありません。
そのうちの一例は、当時皇太子だった現在の上皇陛下の成年式です。上皇陛下は18歳の誕生日が大正天皇の皇后で祖母にあたる貞明皇后の喪中であったため、喪が明けた翌年11月に成年式が執り行われました。しかし、この時も19歳にはなられていませんでした。もう一つの例は桂宮宜仁親王殿下で、20歳になる誕生日(1968年2月11日)が大学の試験期間中だったため、試験終了後の2月末に行われました。これらの歴史的背景から見ても、成年年齢から1年遅れで成年式が行われることは極めて珍しいと言えます。
山下氏は、「宮内庁の中にも19歳になる前に成年式を執り行いたいと考えていた職員は少なくなかったはずです。しかし、最終的には秋篠宮殿下がお決めになったことですから、それに従うほかありません。結果的に愛子内親王殿下の公務と日程が重なってしまう形となってしまいましたが、それぞれの立場で最善の選択をされた結果と言えるでしょう」と、今回の異例な状況を説明しています。
結論
悠仁さまの成年式は、男性皇族にとって40年ぶりの慶事である一方で、愛子さまの内宴欠席や、悠仁さまご自身の19歳での式典開催など、いくつかの異例の状況が重なっています。これらの背景には、皇族方の公務の重要性、民法改正に伴う成年年齢の変更、そして秋篠宮殿下のご判断が複雑に絡み合っています。元宮内庁職員の山下晋司氏による専門的な解説は、これらの波紋が単なる偶然ではなく、皇室が現代社会の要請に応えながら、伝統を継承していく上での調整の結果であることを示唆しています。国民の注目が集まる中、悠仁さまの成年式は、今後の皇室のあり方を考える上で多くの示唆を与えることとなるでしょう。
参考文献:
- Yahoo!ニュース: 小室圭さん&眞子さん「赤ちゃん抱っこ姿」に目撃情報も、悠仁さま成年式に「出席見送り」の理由 愛子さまも夜の内宴欠席(デイリー新潮)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b941bb9292593f28f895b7dd8aca9e3aaa4deec