米国現代自動車EV工場で移民局急襲:トランプ支持者が通報、韓国人250人超逮捕の背景

米国ジョージア州ブライアン郡に建設中の現代自動車とLGエナジーソリューションの合弁による電気自動車(EV)バッテリー工場で、連邦移民関税執行局(ICE)が大規模な移民取り締まり作戦を実施しました。この急襲により多数の不法移民が拘束される中、地域の極右政治家であるトリ・ブレイナム氏が、自身が情報提供者であったことを公言し、波紋を呼んでいます。アトランタ総領事館は、逮捕された韓国人が250人以上にのぼることを公式に確認しています。

現代自動車・LGエナジー合弁工場での大規模移民取り締まり

現代自動車とLGエナジーソリューションが進めるEVバッテリー工場建設現場で、先日、米移民当局による大規模な移民取り締まり作戦が行われました。この作戦は、不法移民の雇用慣行に対する取り締まりの一環として実施されたと見られます。現地の「アトランタ韓人ニュースポータル」は、この連邦移民局による急襲が、トランプ前大統領の極右支持層からの継続的な情報提供によって引き起こされた可能性が高いと報じています。

極右政治家トリ・ブレイナム氏が通報を公言

ジョージア州第12地域区の連邦下院議員予備候補として立候補しているトリ・ブレイナム氏が、自身のフェイスブックで、この現代自動車工場への通報を数カ月前に行ったことを明らかにしました。トランプ支持を公言する元米海兵隊員であり、極右保守思想の持ち主として知られるブレイナム氏は、「ジョージア州の住民たちは、違法な雇用慣行によって雇用、安全、法治が脅かされていることを知る権利がある」と主張しています。

トランプ支持を公言する極右政治家トリ・ブレイナム氏のフェイスブック投稿画像トランプ支持を公言する極右政治家トリ・ブレイナム氏のフェイスブック投稿画像

ブレイナム氏のフェイスブック投稿によると、急襲時には「人々は逃げる際に垣根を跳び越えたり、屋根から逃げようとした」と述べ、現場上空にはヘリコプターが旋回し、法の執行機関が工場の入口を封鎖していたと報告しています。また、「私たちはジョージアの住民たちに仕事を与えなければならない。企業がコストを節約するために違法労働を搾取するのを放っておいてはならない」と強く訴え、不法移民の雇用に対する厳しい姿勢を示しました。

通報のきっかけと強硬な警告

ブレイナム氏は通報のきっかけについても言及しており、別の投稿で「懸命に働くある米国人が、自分はスペイン語を使う不法滞在者たちと働いていたと証言し、証拠の動画もあると言っていた。私が信じない理由はない」と明かしています。

さらに、彼女は抗議する人々に対し、非常に強硬な警告を発しています。「何人かの人間が現代自動車工場の急襲事件について非常に騒いでいる。おまえたちの会社も調査対象になるべきだ。次はおまえたちの番だろう」と述べ、銃器を手にしている自身の写真を掲載し、その強硬な姿勢を誇示しました。

移民取り締まりに関する投稿で銃を手に警告するトリ・ブレイナム氏移民取り締まりに関する投稿で銃を手に警告するトリ・ブレイナム氏

アトランタ総領事館、逮捕された韓国人250人以上を確認

今回の移民取り締まり作戦で逮捕された不法移民の数については、アトランタ総領事館が、拘束された韓国人だけでも250人以上にのぼることを公式に確認しました。この事態は、米国における不法移民問題の深刻さ、そしてそれが国際企業や外国籍労働者に与える影響の大きさを浮き彫りにしています。

今回の件は、米国における移民政策、特に不法労働者に対する取り締まりが強化される傾向にあることを示しており、今後、韓国企業が米国で事業を展開する上でのリスク要因となる可能性があります。また、極右政治家が積極的にこのような問題に関与し、政治的メッセージを発信することで、移民問題がさらに政治的な論争の的となることが予想されます。


参考文献: