松本潤が主演を務めた日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)に激震が走ったのは、最終回の放送をわずか4日後に控えた出来事だった。人気若手俳優の清水尋也容疑者が麻薬取締法違反の疑いで警視庁に逮捕され、ドラマの最終話は異例の対応を迫られることとなった。この衝撃的なニュースは、制作現場だけでなく、多くの視聴者やファンにも波紋を広げている。
若手注目株・清水尋也容疑者の逮捕、その詳細
逮捕された清水尋也容疑者は、『19番目のカルテ』で小芝風花演じる部下の同期の内科医役という重要なポジションを演じていた。彼の逮捕は9月3日のことで、供述によれば、20歳の頃にアメリカ・ロサンゼルスへ語学留学した際に初めて大麻を使用し、2025年に入ってからは月に数回程度吸引していたという。毎話必ず出演シーンがあり、最終回でも多くのセリフが予定されていたと見られるだけに、制作局は大きな混乱に陥った。
日曜劇場『19番目のカルテ』に出演していた俳優・清水尋也容疑者
最終回直前の緊急事態:制作陣の迅速な対応
清水容疑者の逮捕を受け、TBSは急遽、最終回での清水容疑者の出演シーンをすべてカットして放送するという前代未聞の編集作業を行った。最終回前日の6日、番宣のため『情報7daysニュースキャスター』に出演した主演の松本潤は、この事態について「報道されている以上のことはわからないですし、僕たちは撮影現場で彼にお会いしていましたけど、会っているときに、何か違和感を感じることはなかったですし……。なので、報道でその状況を知ったときに、まさかと信じられない思いでしたし、なによりショックを受けましたね」と、その悲痛な胸の内を明かした。
ドラマ内では、清水容疑者が小芝風花から相談を受ける場面が多く、最終話でも二人のやり取りは不可欠だったはずだ。しかし、医師たちが集まる休憩スペースでのシーンなどでは、小児科医役の木村佳乃や麻酔科医役の岡崎体育などが小芝の話を聞くアップのシーンばかりが放送された。全体を映した際に清水容疑者の衣服の裾が見えていたとの指摘もあり、制作陣が大規模な編集を施したことがうかがえる。まるで最初から存在しなかったかのような見事な編集技術には、一部から称賛の声も上がった。
クレジットからの名前削除にファンから賛否両論
一方で、徹底的にその存在を消された上に、最後のクレジット(エンドロール)から名前まで削除された「異常演出」に対し、ファンからは複雑な声が上がっている。芸能ジャーナリストは「最後のクレジットは業界内では非常に重たいものです。この順番をめぐっていざこざが起きることもあるくらい、作品にどれだけ貢献したのかが表現されます」と説明する。出演シーンがカットされた以上、クレジットから削除されるのは仕方のないことではある。しかし、最終話で突如としてクレジットから名前が消えたことに、一部のファンからは「いなかった事になってる」「複雑な気持ちになるな」といった、割り切れない心境を吐露する声が聞かれた。若手注目株にとって日曜劇場は勝負の場であり、ファンもその最後まで見届けたかったはずだ。
俳優としての復帰は困難か:重すぎる代償
清水容疑者の行為は、彼自身だけでなく、多大な労力を費やして制作されたドラマに泥を塗る結果となった。前述の芸能ジャーナリストは、「俳優として復帰する道は険しいでしょうね」と厳しい見方を示している。期待されていた若手俳優が犯した過ちは、そのキャリアにあまりにも重い代償をもたらすことになるだろう。今回の事件は、芸能界における薬物問題の根深さと、それが作品や共演者、そしてファンに与える深刻な影響を改めて浮き彫りにした。
参考文献
- Yahoo!ニュース
- Smart-Flash