10月17日、自民党と日本維新の会による連立・連携協議が大きく進展し、4日の自民党総裁選挙で新総裁に選出された高市早苗氏が、21日に召集される臨時国会の冒頭で首相に指名され、新内閣を発足させることが確実な情勢となりました。これにより、約半月にわたって続いていた「混迷政局」は事実上の決着を迎え、憲政史上初の女性首相誕生への道筋が明確になりました。この歴史的な転換点において、政権発足後の安定した運営に向けた課題も浮上しています。
連立協議の進展と歴史的合意への道
自民党と維新の会による連立・連携協議は、10月15日夕方から3日間にわたり集中的に実施されました。この中で、維新側が提示した12項目に及ぶ政策提案の大部分について、自民党側が受け入れる方針を伝えたと報じられています。特に、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)が連立合意の「絶対条件」として強く求めていた「議員定数の1割削減」については、自民党が最終的に譲歩する形で、臨時国会での関連法案成立に向けた動きが始まりました。
両党は今後、削減対象となる衆・参両院の議席や、比例代表・選挙区などの具体的な削減方法について詳細な協議を行い、10月20日中の最終合意を目指す方針です。これにより、維新幹部は「最終合意に大きく近づいた」と認識しており、歴史的な連立政権の樹立がいよいよ現実味を帯びてきました。
野党協議の頓挫、高市首相指名の確定
自民・維新の協議が佳境を迎える一方、同時進行で進められていた立憲民主党、日本維新の会、国民民主党による3党協議は、17日に維新が「打ち切り」を通告したことで頓挫しました。この結果を受け、同日の自民党と立憲民主党の国会対策委員長会談では、21日の臨時国会召集日に首相指名選挙を実施することで大筋合意。
これにより、自民党の長老が「当初の想定を超える『秋の大政局』は、自民党の政権維持で決着する」と語る通り、高市総裁が日本の憲政史上初の女性首相に選出されることが事実上確定しました。長きにわたる政治の混迷に終止符が打たれ、新たな時代の幕開けが期待されます。
高市早苗氏、自民・維新連立合意により日本初の女性首相就任の公算。今後の政権運営には課題も。
残る「政治とカネ」の課題と連立の行方
しかしながら、新政権の船出には依然として「火種」もくすぶっています。特に、自民・維新協議において「『政治とカネ』における最大の争点」とされた「企業・団体献金の廃止」については、両党間で意見の隔たりが大きく、合意は極めて困難とされています。自民党は「公開・透明化による存続」を主張する一方、維新は「完全廃止」を強く求めており、真っ向から対立する状況です。
維新全体を統括する吉村代表は、自民党との最終的な連立・連携関係樹立について「総合的に判断する」としており、維新内では「企業・団体献金での決裂はやむをえないとの考え」が広がりつつあると側近は明かします。この重要課題に対する最終的な判断が、連立政権の安定性や今後の協力関係にどのような影響を与えるのか、注視が必要です。
結論
自民党と日本維新の会の連立協議は、高市早苗氏が日本初の女性首相に就任する道を開き、混迷を極めた政局に一つの区切りをつけました。議員定数削減における自民党の譲歩は大きな進展であり、新政権発足への期待が高まります。しかし、「企業・団体献金の廃止」を巡る両党間の溝は深く、今後の政権運営における課題として残ります。歴史的な瞬間を迎えつつある日本の政治動向は、引き続き注目を集めることでしょう。