【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は19日、年末の記者会見をモスクワで開き、近年“準軍事同盟”と称されるほど接近している中国との関係について「軍事同盟を結ぶ計画はない」と述べた。一方、2021年に期限が切れる米露間の新戦略兵器削減条約(新START)について、改めて米国に延長を呼びかけた。
プーチン氏は「中国との軍事同盟は存在せず、結ぶ計画もない」と強調した。中距離核戦力(INF)全廃条約の失効に続いて新STARTも失効した場合、ロシアは米国との本格的な軍拡競争に直面する可能性がある。国力で劣るロシアはそうした事態を避けたいのが本音で、中国との軍事同盟締結で米国との対立が決定的になるのを避けたい思惑があるとみられる。
ウクライナ疑惑をめぐってトランプ米大統領の弾劾訴追決議が米下院で可決されたことを受け、「米上院で過半数を占める共和党は、こじつけの理由で自党の代表を解任しようとは考えないはずだ」とし、弾劾は成立しないとの見解を示した。
プーチン氏は日露平和条約締結問題にも言及。「島(北方領土)を含め、日本にミサイルが配備されないという保証がどこにあるのか」として日米同盟への警戒を改めて強調する一方、「日本とは『引き分け』を目指す」と述べた。