【経済インサイド】百貨店・松屋がムーミン 苦境の業界、レガシー生かす 





ムーミンキャラクターをモチーフにしたチョコレート「ブルガリ イル・チョコラート ムーミンエディション」を紹介する松屋銀座の古屋毅彦専務執行役員(左)とムーミンキャラクターズ社のロレフ・クラクストロム社長=11月25日、東京都中央区(佐久間修志撮影)

 百貨店大手の松屋がフィンランド生まれの人気キャラクター「ムーミン」をモチーフにした商品の企画や製造、販売が国内外でできるグローバルライセンスの取得を発表、本格的なライセンスビジネスに乗り出した。少子高齢化や専門店の台頭などで仕入れ商品を販売する従来の百貨店モデルに陰りがみえる中、培ってきた高級感やブランド展開のノウハウを生かせる新機軸として注目される。

 11月下旬の東京・銀座。松屋としてのライセンス商品の第1弾が発表された高級ブランド、ブルガリの旗艦店には関係者や報道陣ら約100人が詰めかけた。お披露目されたのは、ムーミンキャラクターが描かれたブルガリのチョコレート「イル・チョコラート ムーミンエディション」。松屋の古屋毅彦専務執行役員は「ムーミンの世界観を伝える特別なものを作っていきたい」とあいさつした。

 ライセンス契約は、ムーミンの著作権者であるムーミンキャラクターズ社と、北欧雑貨の輸入販売などを手がける松屋の子会社スキャンデックスが結んだ。平成26年に松屋で開催されたムーミンをテーマにした展示会をきっかけに、古屋氏がムーミン原作者の親族やキャラクターズ社の幹部と知り合い、商品化の検討を重ねてきた。

 今回発表されたブルガリブランドのチョコレートからは、同ビジネスにかける松屋の本気度がにじむ。

 一流ブランドを冠したチョコというだけでなく、8種類のフレーバーには絵柄に使われた各キャラクターの個性が映し出される。たとえばムーミンのチョコは「みんなに愛される優しい男の子」というイメージからバナナ味としたが、ブルガリのチョコとしては初めての風味だ。他にも3種類の新味を採用した。

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