阪神大震災の犠牲者を追悼するため神戸市中央区の公園「東遊園地」にともされているガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の火を各地の追悼行事に運ぶ「分灯」が11日、始まった。火を受け取った子供たちは「生まれる前の震災を知り、伝えていきたい」と記憶継承への思いを口にした。
この日は小中学校や市民グループなど約30団体が参加。希望の灯りからろうそくに移した火が風で消えないよう手で覆い、持参したランタンに明かりをともした。
震災のあった1月17日に校内で追悼集会を開く兵庫県加古川市立陵南中2年の細谷海翔(かいと)さん(14)は「希望の灯りは助け合いを大切にする気持ちが込められていると思う。この火がともされ続けてきた理由を考え、他の生徒に伝えたい」と話した。
希望の灯りは震災5年後の平成12年に設置。30年の西日本豪雨で被災した広島県坂町や、1999(平成11)年の台湾中部大地震を追悼する行事にも火が運ばれたことがある。