群馬県の「映画の街・高崎」を象徴する第34回高崎映画祭の受賞者が15日、発表された。最優秀作品賞には鈴木卓爾監督の「嵐電(らんでん)」が選ばれた。オダギリジョーさんが監督としてホリゾント賞に、稲垣吾郎さんが最優秀主演男優賞に、同県渋川市出身の渋川清彦さんが最優秀助演男優賞に輝くなど話題性豊かな顔ぶれとなった。
選定対象は、平成30年12月~昨年12月中旬に国内で劇場公開された邦画約480本。志尾睦子プロデューサーら5人による選定委員会で絞り込んだ。
「嵐電」は、「豊かな人間性を自由な発想で描きこんだ丁寧な仕事。映画の世界観と素晴らしいチームワーク」が高く評価された。
ホリゾント賞は「日本映画界の未来を照らすであろう作品に与える賞」で、監督としてのオダギリさんの手腕を「独自の目線で映画の世界観を構築しようとする野心と、鋭い洞察力に裏打ちされた映画表現の奥ゆかしさが見て取れる」とたたえた。
稲垣さんは初の受賞で、受賞理由は「アンニュイでおぼつかない大人の成長を、ゆるやかに柔らかく体現し、多くの共感と支持を得た」。同じく初受賞の渋川さんは「緩急ある演技力と物語を底支えする役作り」が高く評価された。
このほか、最優秀主演女優賞は「ブルーアワーにぶっ飛ばす」の夏帆さんとシム・ウンギョンさんが選ばれた。こちらも初受賞。
映画祭は3月20日~4月5日、高崎市文化会館(同市末広町)や高崎芸術劇場(同市栄町)など4会場で開催。授賞式は3月22日午後4時から群馬音楽センター(同市高松町)で行われる。