三井住友海上、公立大役員の賠償責任保険を発売 不祥事に備え業界初


 三井住友海上火災保険が、公立大学法人の役員が不祥事などで訴えられるリスクに備える団体役員賠償責任保険を4月から販売することが、19日わかった。公立大学協会が団体保険制度として導入し、同協会所属の約80の大学法人を対象に任意で保険加入できるようにする。企業同様に大学の担当役員も経営判断のミスや不祥事で訴えられるケースが増え、賠償額も高額化する傾向もあり、保険需要が高まっていた。

 大学を対象にした役員賠償責任保険は個別に国立大学など向けに販売されているが、団体保険としては業界で初めてという。

 4月に地方独立行政法人法が改正され、不祥事を起こした公立大学法人の役員は同法人に対し、損害を賠償する義務が生じるのに合わせて販売する。公立大学協会が保険契約者となり、所属する大学法人が被保険者とする団体保険制度として導入する。

 補償されるのは、判決で支払いを命じられた損害賠償金や和解金、争訟費用のほか、報道対応などにかかるコンサルティング費用。想定される訴訟事例としては、役員の不用意な言動で入学希望者が激減し、被った損失について大学法人から提訴された場合など。

 近年話題となった、部活動の試合において意図的な反則で相手選手にけがをさせるよう指示したとされる監督が懲戒解雇処分の無効などを大学に求めた訴訟や、医学部受験で性別や年齢を理由に不合格とされたのは不当だとして元受験生が損害賠償を大学側に求めた訴訟なども、役員が起因するものであれば補償対象になる。

 1法人当たりの補償支払限度額は1億円~5億円。年間保険料は約20万円(総資産70億円、理事6人、監事2人)~約100万円(総資産2300億円、理事9人、監事2人)が目安となる。



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