施錠せず、鍵を車内に置いていて盗まれた車が起こした交通事故について、車を管理、使用していた会社が賠償責任を負うかどうかが争われた訴訟の上告審判決で最高裁第3小法廷(林景一裁判長)は21日、責任を負わないとして会社への賠償請求を退けた。会社に管理上の過失があるか、過失がある場合は事故との因果関係が認められるかが争点。管理上の過失は認められないとの判断を示した。二審東京高裁判決は所有会社に約790万円の賠償を命じていた。
30年1月の一審東京地裁判決は、管理上の過失を認めた一方で事故原因は盗難と居眠り運転だと指摘し「過失と事故に相当因果関係は認められない」として会社側の責任を否定。しかし同年7月の二審判決は「盗難の危険にさらした状態でワゴン車を放置した」と指摘、盗難から居眠り運転、事故までの流れを予想できたとして会社側の責任を認めた。