財務省が23日発表した令和元年分の貿易統計(速報値)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆6438億円の赤字だった。貿易収支が赤字になるのは2年連続。赤字額は前年(平成30年)の1兆2246億円から約4千億円拡大した。米中貿易戦争の打撃で中国経済が減速し、中国向けの自動車部品などの輸出が減ったことが響いた。
輸出は前年比5・6%減の76兆9278億円で、3年ぶりの減少。中国向けの自動車部品やタイ向けの鉄鋼、米国向けの自動車などが減った。
輸入は5・0%減の78兆5716億円で、こちらも3年ぶりの前年比マイナス。サウジアラビアからの原粗油などが減少した。
国・地域別の収支は、対中国が3兆7614億円の赤字。前年比14・1%増で、4年ぶりに赤字が拡大した。自動車部品や半導体などの製造装置を中心に、輸出が7・6%減の14兆6823億円と、3年ぶりに減少したことが響いた。対米国は6兆6259億円の黒字で、前年比2・6%増と、2年ぶりに黒字が拡大した。
同時に発表した元年12月単月の貿易収支は1525億円の赤字で、2カ月連続で赤字だった。