パナソニックが3日発表した令和元年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比5・4%減の5兆7556億円、本業のもうけを示す営業利益は17・8%減の2406億円だった。米中貿易摩擦の影響で、中国などでの産業用の設備投資需要や自動車市況が低迷。センサーや車載機器などの販売が振るわなかった。
最終利益は、半導体事業譲渡に伴う税率の変更などで2・6%増の1781億円だった。
巨額投資をした米電気自動車(EV)大手のテスラ向け電池事業は、北米工場の増産により元年10~12月期の3カ月間では黒字化。東京都内で会見した梅田博和最高財務責任者(CFO)は「さらに生産効率を向上すれば黒字を定着できる」と自信を見せた。
ただ、車載事業全体では292億円の営業赤字。EVなどに使われる充電器の開発費が増加し、北米のEV向けなどの角形電池の販売も低調だった。津賀一宏社長が次の成長の柱に位置づけた車載事業だが、赤字が続いている。
通期の連結業績は、減収減益の従来見通しを据え置いた。
一方、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者拡大を受け、パナソニックでは中国の事業所を2月9日まで休業している。梅田氏は「デバイス関係では代替生産地を準備しているが、稼働再開が伸びれば影響は避けられない」と述べた。