【ワシントン=塩原永久】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は6日、米投資ファンドのエリオット・マネジメントがソフトバンクグループに25億ドル(約2700億円)超の投資を実施したと報じた。取得した同社株は時価総額の3%前後に相当するという。エリオットは「物言う株主」として知られ、ソフトバンクの投資判断の在り方や、企業統治の改善を求めているもようだ。
米CNBCテレビによると、エリオットは「市場がソフトバンクの保有資産を著しく過小評価しているとの確信がある」と声明で指摘している。
報道では、エリオット側とソフトバンクの孫正義会長兼社長や幹部が、既に「友好的な」会談を重ねている。同社傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」による投資案件の決定過程を改善するよう求めているほか、100億~200億ドル規模の自社株買いも迫っているという。
ソフトバンクが筆頭株主となっていた共有オフィス「ウィーワーク」を展開する米ウィーカンパニーをめぐっては、同社の企業統治の在り方などが疑問視されて上場計画が延期され、ソフトバンクも巨額の損失を出した。孫氏が多大な権限を握る投資決定手法を疑問視する向きもある。
エリオットの投資総額は約400億ドルとされ、投資案件には、ホテル運営などのユニゾホールディングスや、韓国の現代自動車グループ、米通信大手AT&Tなどが知られている。