金属加工の西川精機製作所(東京都江戸川区)は、区内の中小企業3社と共同で純国産のアーチェリー弓具を開発した。7~9日(現地時間)に米ラスベガスで開かれた展示会で初公開した。
開発した弓具「ニシカワSH-02」はトップアスリート向け。グリップがある中央手持ち部分のハンドルと、「リム」と呼ばれる弓なりにたわむ板ばねからなる。ハンドルと板ばねの接合部に独自技術の機構を取り入れ、弓を張ったときに生じるぶれを減らした。これにより、従来品よりも命中率が向上し、身体への負担が減らせるという。
また、「プランジャー」と呼ぶ矢を発射する部分を可変型にしたことで、的までの距離が変わっても身体を反らさずに狙いを定められる。
西川喜久社長は「製品を手にした人の声に耳を傾けながら、改良を重ねていきたい」と話した。
もともとアーチェリーの弓具は国内メーカーが製造していたが、アーチェリーの国内競技人口が約1万2千人しかないことで採算が取れずに撤退。現状は海外製を使わざるを得ない。海外製のものは、背の小さな日本人にとっては使いづらく、海外選手との戦いでは劣勢に立たされやすい。
「こうした現状を変えたい」と、西川社長が10年ほど前に開発を決意。平成28年に試作品の開発に成功。その後、金型開発の秋東精工、めっき加工の田島製作所、金属塗装の折井電装の3社と共同で「プロジェクト桜」を結成し、製品化を目指していた。