複数の韓国メディアは17日、2016年に亡命した北朝鮮の元駐英公使、太永浩(テ・ヨンホ)氏のスマートフォンが昨年、北朝鮮とつながりがあるとみられる組織からハッキング被害を受けていたと報じた。調査した情報セキュリティー会社幹部の話としている。
韓国紙・朝鮮日報によると、組織側は太氏のスマホに保存されていた電話番号や通話記録などを窃取した。太氏以外にも国会議員補佐官やジャーナリスト、別の脱北者や弁護士のスマホやパソコンも狙われた。
ハッカー組織は、14年に原発運営会社「韓国水力原子力」が狙われ、北朝鮮の犯行と断定されたハッキング事件にも関わったとされる「金星121」。昨年、韓国メディア記者のスマホを狙ったハッキング事件を情報セキュリティー会社が調査する過程で、組織側のサーバー内に太氏などから盗んだ情報が保存されているのを発見した。
太氏は4月の韓国総選挙に野党候補として選挙区から出馬する予定。遊説なども想定され、朝鮮日報は「身辺の安全に問題が生じる可能性も排除できない」と指摘した。(共同)