【ソウル=桜井紀雄、ワシントン=住井亨介、香港=藤本欣也】韓国政府は25日、新型コロナウイルスの感染者が新たに144人確認され、計977人になったと発表した。横浜に停泊したクルーズ船での感染を含めた日本の感染者数を大きく上回った。中国以外では最多。韓国での感染者の死者は計10人となった。南東部の大邱(テグ)、慶尚北道(キョンサン・プクト、慶北)地域を中心に感染が広がっている。
茂木敏充外相は25日、大邱と慶北の一部地域を対象に、感染症危険情報レベルを不要不急の渡航をやめるよう促す「レベル2」に引き上げると発表した。
米疾病対策センター(CDC)は24日、韓国への渡航注意情報を中国と同じ3段階中で最も厳しい「警告」に引き上げ、不要不急の渡航自粛を呼びかけた。
香港政府は24日、過去14日間に韓国に滞在した香港非居住者の入境を25日朝から拒否すると明らかにした。台湾も韓国から入境する全ての外国人を対象に、14日間の自宅隔離を行う。
韓国外務省などによると、韓国からの外国人の入国を禁止または制限する措置を取ったのは、中東のヨルダンやイスラエルなど、約20カ国・地域に上る。
韓国政府は25日、大邱などで信者の間で感染が広がっている新興宗教団体「新天地イエス教会」から全国の信者の名簿を提出するとの合意を得たと発表した。信者数は20万人を超えると推定されるが、名簿を入手次第、信者全体への感染状況の調査を進める。