楽天は3日、携帯電話サービスを4月8日から開始すると発表した。月額料金は2980円(税別)で、データ通信は使い放題とする。ただ、楽天が自前の基地局を整備していないエリアでは2ギガバイト(ギガは10億)までとする。300万人を対象に最初の1年間の利用料を無料とするキャンペーンの受け付けも始めた。大胆な料金体系の提示で携帯大手3社はプランの見直しが必至とみられ、値下げ競争が起きそうだ。
料金プランを1つに限定するのは異例。データ通信が無制限で利用できるエリアは当初は東京、名古屋、大阪などと限定的だが、月額料金は携帯電話大手の大容量プランの半額以下で、各社の小容量プランと比較しても同水準だ。低価格のプランで利用者獲得を狙う。
楽天の三木谷浩史会長兼社長は3日の会見で「真っ向勝負で皆さんのためにノーガード戦法で頑張る」と意気込んだ。課題は自社で提供する通信エリアの狭さだが、楽天モバイルの山田善久社長は「基地局整備は計画を大幅に前倒しできる」とエリア拡大を急ぐ姿勢を示した。楽天は3年後の収益化を見込む。
現在、NTTドコモの回線を利用して運営している格安スマートフォン事業は4月7日に新規受け付けを停止する。サービスは当面継続するが、利用者には今回新たに始める携帯電話事業への移行を促す。
会見は新型コロナウイルスの流行を受け、インターネットを通じたライブ配信のみで行われた。