【ワシントン=黒瀬悦成】米下院本会議は4日、中国の圧力に屈して台湾と断交する国が拡大するのを防ぐことを目的とした「台湾同盟国際保護強化イニシアチブ法案(通称・TAIPEI法案)」を全会一致で可決した。
法案は米政府に対し、台湾を支持する国との関係を強化する一方、台湾と断交するなどした国に対しては経済支援の削減などの措置をとることを求めた。先に上院で可決された同様の法案と細部の文言などを調整した後、トランプ大統領が署名すれば成立する。
法案はまた、米大統領に対し、中国共産党体制からの「現在および将来の脅威」に対抗するため台湾に武器を供与することや、2018年3月に成立した台湾旅行法に基づき、米政府高官の台湾訪問を求めた。
台湾が国際機関に加盟したりオブザーバー資格で参加したりできるよう、米大統領が国際社会に働きかけることも促した。米台が自由貿易協定(FTA)を締結するよう求める条項も盛り込まれた。
法案はさらに、米国に加え日本やインド、オーストラリアが台湾と非公式関係を結んでいることが台湾の経済力強化と国際的立場の維持に重要な貢献を果たしていると指摘した。
中国の習近平体制は、台湾の蔡英文政権を国際的に孤立させようと、台湾と関係のある国に対する外交圧力を強化している。台湾を自国の不可分の領土と位置付けており、法案への反発は必至だ。