米金融市場で9日、米連邦準備制度理事会(FRB)が新型コロナウイルスによる景気悪化を懸念して来週の定例会合で大幅利下げに踏み切るとの見方が強まった。FRBは3日に0・5%の緊急利下げを決めたばかりだが、1%の利下げによる事実上のゼロ金利政策導入観測さえ浮上している。
大手取引所CMEグループが金利先物取引から算出した金利予想では、次回会合での利下げを100%の確率で織り込んだ。利下げ幅は通常の0・25%ではなく、0・75%との予想が約5割、1%も約5割。この確率は日々変化し、最近は変動が大きい。FRBの主要政策金利は現在年1・0~1・25%で、1%引き下げれば2015年末以来、約4年ぶりの事実上のゼロ金利政策となる。
緊急利下げ後も、米国内外で感染者が急増し、景気の先行き不安が強まっている。FRBのパウエル議長は、景気下支えに向け「適切に行動する」と述べ、追加利下げに含みを持たせていた。(ワシントン 共同)