限られた空間に親族以外の見知らぬ人が数多く来られるのはちょっと-。新型コロナウイルス感染拡大が続く中、葬祭ベンチャーが相次いで新サービスを投入している。働き方などとともに、葬儀のあり方も変わろうとしている。
よりそう(東京都品川区)は、3月31日までの期間限定で「後葬(あとそう)サポート」というサービスを実施している。感染症への懸念から、近親者のみでの密葬のあと、後日に「後葬」として、多くの参列者を迎えてのお別れの会開催を提案する。
2月1日から3月31日までに近親者のみで密葬を行ったケースが対象。4月1日~12月31日に同社の葬儀サービスの利用が条件となるが、後葬の費用を最大で5万円を割り引く。
同社には「新型コロナウイルスの流行のなかで、どんな葬儀をあげたらよいか」といった相談が数多く寄せられている。最近は参列者を伴う葬儀を断念し、火葬のみの「直葬」を選ぶケースもあるという。
一方、葬儀仲介サイト運営のユニクエスト(大阪市西区)は訃報連絡共有サービス「enishi(えにし)」を始めた。インターネットで葬儀を依頼できるサービス「小さなお葬式」を利用する遺族なら無料利用できる。電子メールやスマートフォン(高機能携帯電話)の無料通話アプリで訃報文を送信。受け取った人はそのメッセージを別の人と共有できる。さらにクレジットカード決済で任意の金額での香典が送れる。
遠隔地で参列できない人に向けたサービスだが、感染へのリスクが高まる中、通夜や葬儀へ足を運ぶことを躊躇(ちゅうちょ)する人にも役立ちそうだ。