20日に投開票された参院選について、英国のメディアではBBC放送とフィナンシャル・タイムズ紙(FT)がニュースサイトのトップページで報じた。いずれも、与党敗北にもかかわらず石破茂首相が続投を表明したことを見出しに取り、参政党の躍進に言及。FTは同党を「極右」と表現し、「以前は泡沫(ほうまつ)勢力と見られていたが、潜在的に大きな影響力を得た」と伝えた。
BBCは自民、公明両党の大敗を巡り、米価の高騰などを例示し、「日本が経済的逆風や生活費の危機、米国との貿易交渉に苦しむ中で、石破首相に対する有権者の不満が浮き彫りになった」と分析した。
参政党については「小規模で右派的」と表現し、「排外主義的な言説が支持を広げた」と伝えた。その背景について、「孤立主義的な文化と厳しい移民政策で知られる島国は近年、観光客と外国人住民が急増している」とした上で、「そのことが物価をさらに上昇させ、一部の人々の間で『外国人がこの国を利用している』という感情が高まり、不満が深刻化している」と解説した。
FTは「参院選への国民の関心は異例なほど高かった」と評し、参政党などを念頭に「特に小規模で急進的、時にあからさまに外国人嫌悪の政党の選挙運動が異常に激しかった」と指摘した。また、「ポピュリスト的な選挙戦で、大幅な減税などが公約に掲げられた」とも説明した。【ロンドン福永方人】