ソフトバンクグループは23日、保有する子会社の株式など資産の最大4兆5000億円分を売却か現金化すると発表した。生じた資金を用いて1年かけて最大2兆円分の自社株買いや負債の削減を行い、株価の回復につなげる。この動きを好感し、同社の23日の株価は値幅制限の上限となるストップ高の3187円を付け取引を終えた。
同社の株価は新型コロナウイルスの感染拡大などに伴う世界的な株安を受け、ファンドを通じた評価損の拡大懸念からの売りが先行し、2月に比べ半値以下の水準になっていた。同社は13日にも総額5000億円を上限とした自社株買いを発表しており、合計の取得額は最大2兆5000億円となり、発行済み株式の45%を取得することになる。取得した株は消却する方針で、株式価値の向上を図る。同社の孫正義会長兼社長は「当社史上最大の自己株式取得であり、過去最大の現預金などの増加につながる」とのコメントを発表した。
同社によると、現在、同社が保有する資産は約27兆円で、今回売却するのはその約17%。同社株を大量に取得した「物言う株主」として知られる米投資ファンドのエリオット・マネジメントも、株主還元策として大規模な自社株買いを要求していた。