新型コロナで内定取り消し学生 外食、小売業で採用企業も





ライフコーポレーションは内定を取り消された学生の追加採用を始めた=25日、大阪市内の店舗

 新型コロナウイルス感染拡大による急激な業績悪化で今春入社予定の学生の内定取り消しが相次いでいることを受け、追加採用に乗り出す企業が、外食、スーパーなどで相次いでいる。憂き目に遭った学生らには思わぬ“救いの手”となりそうだ。(田村慶子)

 牛丼チェーンを展開する松屋フーズは、新型コロナウイルスの影響で4月入社の内定取り消しを受けた学生を対象に、営業総合職10人の追加採用を行う。ウェブ上での会社説明会と適性試験の後、対面で最終面接を行う。入社は4~5月。

 すでに今春、約100人の入社を予定しているが、「業容を拡大すると同時に、困っている学生に手を差し伸べる」(同社)ため、追加採用を行う。

 うどん店チェーンなどを展開するグルメ杵屋も、4月入社の内定を取り消された学生らを対象に追加採用の実施を決めた。採用担当者によると、30~40人の今春入社を計画していたが、まだ内定者が16人と枠が残っており、「もしご縁があれば」とアピールしている。

 外食産業は新型肺炎により客数、売り上げが減っているが、「慢性的な人手不足の状況に変わりはない」と、経営体力のある企業ではむしろ採用のチャンスと見るケースもあるようだ。

 一方、眼鏡店チェーンのビジョンメガネ(大阪市西区)は、3月卒業の大学・短大・専門学校・高校生を対象に販売職正社員を想定した追加採用を始めた。通常は約1カ月かかる選考スケジュールを7日程度で内定を出す方針だ。「採用人数は特に決めず、優秀な人材を獲得したい」(担当者)としている。

 スーパー大手のライフコーポレーションも3月卒業予定の大学・短大・専門学校・高校生らを対象に数人程度、正社員総合職の追加採用を決定。24日の応募受け付け開始から入社予定日の4月1日まで1週間程度と短く、感染予防の観点も踏まえて東京と大阪それぞれ1回で説明会から面接までを実施する。



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