【ワシントン=住井亨介、パリ=三井美奈】米ジョンズ・ホプキンズ大などの集計によると、新型コロナウイルス感染による死者が29日、世界全体で3万人を超えた。感染者数は177カ国・地域に広がり、66万人を超えた。世界全体の死者は20日に1万人を超え、25日に2万人を上回ったばかり。拡大に歯止めがかからず、危機的な状況が続いている。
死者が最も多いのはイタリアで同国政府は28日、1万23人になったと発表した。一国で死者が1万人を超えたのは初めて。スペイン政府も同日、死者が5690人になったと発表。両国で世界全体の死者の約半数を占める。両国とも平均寿命が約83歳と高く、感染すると重症化しやすい高齢の世代が多いことが被害の拡大を招いたとみられる。
スペインのサンチェス首相は28日、30日から4月9日まで国内の経済活動を食料品関係や公共交通機関など必須の一部を除き全て停止すると表明した。
一方、12万人以上と最多の感染者を抱える米国の疾病対策センター(CDC)は3月28日、ニューヨーク州など東部3州の住民に対し、不要不急な他州への移動を自粛するよう求める警報を発した。期間は2週間。