【ワシントン=住井亨介】トランプ米政権の新型コロナウイルス対策チームのメンバーで、国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は12日、CNNテレビとのインタビューで、ソーシャル・ディスタンス(他人との距離)を保つなどの感染拡大防止策について、「もっと早く始めていれば、救えた命があった」と述べた。
ファウチ氏は、2月中旬に感染拡大防止策をまとめて政権内で提言したが、「多くの抵抗」に遭ったため3月中旬まで導入が遅れたとした。
ニューヨーク・タイムズ(電子版)が11日、専門家が2月第3週にまとめた提言が、トランプ大統領が経済的な影響を気にしたため「リスクを受け入れるのが遅れた」などと伝えた内容を追認した形だ。
これに対し、トランプ氏は12日、ツイッターに「フェイクニュースは『初期の警告を無視した』とするが、私が中国からの渡航禁止措置を導入した際になぜ批判したのか」と反論した。