自民党の河井案里(あんり)参院議員(46)が初当選した昨年7月の参院選で車上運動員に違法な報酬を支払ったとして、公選法違反(買収)の罪に問われた案里氏の公設秘書、立道(たてみち)浩被告(54)の初公判が20日、広島地裁(冨田敦史裁判長)で開かれ、被告側は起訴内容の認否を留保した。
被告は選挙中、街頭演説の行程調整や車上運動員の管理などを担当しており、広島地検は連座制の対象となる「組織的選挙運動管理者」に当たるとみて起訴し、迅速に審理する「百日裁判」を申し立てた。
同罪の法定刑は3年以下の懲役か禁錮、または50万円以下の罰金。立道被告の禁錮以上の刑が確定後、広島高検が提起する行政訴訟で連座制の適用対象と認定されれば、案里氏の当選は無効となり失職する。
事件では、案里氏の夫、克行前法相(57)=自民、衆院広島3区=の政策秘書、高谷真介被告(43)も共犯として同罪で起訴されたが、審理は別になる。