静岡活躍企業 東海電子 アルコール検知システムで市場リード 海外展開で業容拡大狙う



血圧計と一体化したアルコール検知システム
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 運転者が息を吹きかけてアルコールを検知すると車が動かなくなる「アルコールインターロック」などの専業メーカーとして国内市場をリードする東海電子。杉本一成社長(76)は、国内市場に加え、需要が高まる東南アジアエリアなどに市場開拓を進め、さらなる業容拡大を狙う。(那須慎一)

 --なぜ起業したか。また企業理念は

 「昭和44年、電卓組み立て下請け加工工場として杉本製作所を東京で設立したのが当社の前身です。54年には電卓メーカーからお誘いがあり富士市に東海電子を設立し、デジタル時計生産工場として操業を始めました。ただ、下請け会社ではなく独立した会社にするために自社開発事業に着手し、アルコール検知システムの開発に成功しました。運輸業界に販売し、飲酒運転による悲惨な死亡事故や不祥事の防止のために高い評価を受け、業界トップ企業として飛躍できました。顧客や社会に応える喜びを全社員で感じるようになり、会社理念を『社会の安心、安全、健康を創造する』としました。顧客とともに成長してきたと感じています」

 --現在注力している事業などは

 「現業のアルコール検知事業に関し、圧倒的なシェア『60%以上』を確固たるものとするため、運輸業界に提供する安全管理システム『運輸安全プロ』をクラウド化し、『飲酒運転防止事業』から『交通事故防止事業』へ進化することをめざしています」

 --今に至るご苦労や思い

 「下請け事業は仕事量が不安定で付加価値が非常に小さいため、資金難に見舞われるほか、先方の組織が変わるリスクが常に存在します。結果的に調整弁の役割で終わることは自身が許せず、いつかは下請けから脱却することが夢でした。アルコール検知事業が立ち上がって、製品の完成、販売とつながり、アルコール検知専業メーカーとして業界ではナンバーワンの地位を築きました。シェアが高いことが、そのまま飲酒運転防止貢献度を表しており、事業としてやりがいがあると感じています」

 「現事業は販売時、保守校正契約を結ぶことを前提としています。現在の総売り上げの60%が保守校正契約が占め、安定経営に大きく寄与しており、下請けからの脱却を果たしました」

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