【ワシントン=黒瀬悦成】11月の米大統領選で民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領(77)は28日、2016年の前回大統領選の民主党候補だったクリントン元国務長官(72)の支持を獲得した。クリントン氏が同日行われたバイデン氏とのネット上の対話イベントで明らかにした。
バイデン氏は最近、上院議員時代のセクハラ疑惑が浮上し、党内外の左派勢力などから批判が強まっており、女性のクリントン氏からの支持表明は、バイデン氏に対する逆風を和らげる可能性もある。
バイデン氏は、オバマ前大統領(58)など民主党主流派の有力者ほぼ全員の支持を獲得済み。
クリントン氏はトランプ大統領に敗退した前回大統領選で、女性の得票数ではトランプ氏を上回ったことから、バイデン氏としてはクリントン氏の助けを借りて女性支持層の拡大につなげたい考えだ。
バイデン氏は前回大統領選で民主党候補に名乗りを上げる意向を示していたものの、オバマ氏がクリントン氏支持の立場だったことから断念した経緯がある。
バイデン氏は最近、クリントン氏の敗退を受けて「出馬断念を後悔したことがある」と述懐。クリントン氏も27日、「バイデン氏がいま大統領になっていたらよかったのに」と話すなど、今回は同氏を支えていく姿勢を強調した。