日本製鉄は8日、新型コロナウイルスの感染拡大による鋼材需要減に対応するため、室蘭製鉄所(北海道室蘭市)と九州製鉄所八幡地区(北九州市)の高炉1基ずつを、いずれも7月上旬以降に一時休止すると発表した。自動車向けなどが国内工場の操業停止を受けて急減しており、需要量に見合った生産体制に整える。
一時休止は、製鉄所の中核施設である高炉への送風を停止することで、再稼働ができる状態にしたまま止める手法。室蘭の高炉は改修作業のため止める。日鉄は今年に入って計3基の高炉を一時休止したほか、東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)の高炉1基を5月中旬以降に一時休止することを決めている。想定を上回る鋼材需要減を踏まえ、さらに2基の高炉を停止する異例の措置を取る。