【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は11日、新型コロナウイルスの感染拡大により全国で3月末から実施していた飲食店や企業の営業を制限する自主隔離態勢を12日から段階的に解除すると表明した。11日に開いた政府の新型コロナ対策会議で明らかにした。
ロシア全体の感染者数は増加傾向が続き、11日時点の感染者は前日比1万1656人増の22万1344人、死者は2009人に上っている。感染者の少ない地域から自主隔離態勢を解除することで、経済への悪影響を最小限に食い止める狙いとみられる。
プーチン氏は会議で「自主隔離措置により数千人の国民の命が救われた」と評価。一方で、多数の人が集まる大規模イベントの禁止は当面継続するとしたほか、高齢者にも自主隔離を続けるよう求めた。
プーチン大統領は3月末、全国で自主隔離態勢を導入すると発表。病院や薬局、食料品店などを除く企業や飲食店の営業を制限した。一方、具体的な対策は各連邦構成体(地方自治体)の判断次第とされており、感染者の約半数を占める首都モスクワ市は5月末まで外出制限を継続すると発表している。