新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の一部解除や大阪府の休業要請の解除を受け、関西に店舗を持つ百貨店各社も全館営業再開に向けて動き出した。大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングは15日、大阪、京都、兵庫などの10店舗を19日に全館で営業再開すると発表。ただ、平日のみのうえ、一部飲食店を除き時短営業を当面続ける。各百貨店とも、再開に向けて期待を募らせつつも感染防止に神経をとがらせねばならず、完全復活にはまだ時間がかかりそうだ。
J・フロントは時短営業にする理由について、「休日に営業するとかなりの人出になる恐れがある。開店時刻を遅らせることで従業員の時差出勤にもつなげられる」と説明した。
一方、エイチ・ツー・オーリテイリングは、傘下の阪急阪神百貨店が食品売り場を除く店舗の休業を続けているが、来週から再来週までをめどに全館営業を再開させる見通し。「取引先や従業員との調整もあり、16、17日の再開は難しい」という。
近鉄百貨店は「あべのハルカス近鉄本店」など大阪市内の主要店舗について「1週間程度で準備はできる」との見方を示し、来週にも全館営業を再開するとみられる。ただ、「対策をしっかり整えた上で営業につなげるのが大事」とし、感染再燃への懸念も示す。
高島屋は「テナントや従業員との足並みをそろえたい」と準備を進めており、「できるだけ早期に開けたい」とした。