米国のビーチが混雑、欧州も観光再開目指す 進む制限緩和 新型コロナ





24日、米カリフォルニア州のビーチに集う人たち(AP)

 【ニューヨーク=上塚真由、パリ=三井美奈】米国では4月下旬から、新型コロナウイルスの感染拡大で制限されていた経済活動の再開を急ぐ動きが加速している。今月20日には50州すべてで感染抑止のための行動規制が一部緩和されたが、南部や中西部では感染ペースが上がり始めた州もあり、「第2波」の懸念が高まっている。

 米国は、25日の「戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)」の祝日を境に夏休みシーズンに突入。それを前に多くの州でビーチや州立公園など行楽地が開放され、米メディアによると、南部フロリダ州などのビーチが人出で混雑する様子が伝えられた。

 米国の出口戦略は、州や自治体によって緩和の程度や検査数が異なり「つぎはぎの再開」(米メディア)。南部テキサス州は入場制限付きでの飲食店の店内営業のほか、理髪店、日焼けサロン、バー、ボウリング場など幅広く再開している一方、最も被害が深刻な東部ニューヨーク州などは慎重な対応が続く。

 同州のクオモ知事は24日、1918年のスペイン風邪の流行では行動制限の緩和を急いで感染がぶり返したとし、「同じ過ちは繰り返さない」と強調した。州内10地域のうち条件を満たした7地域で製造業や建築業を既に再開し、週内にニューヨーク市郊外の2地域も再開予定だが、残るニューヨーク市は空き病床の割合などの条件を達しておらず、再開時期は6月上旬以降とみられている。

 欧州では流行の縮小に伴い、観光産業の再開を目指す動きが目立つ。

 スペインでは22日、マドリード首都圏、カタルーニャ州都バルセロナで飲食店の営業が再開された。これらの大都市圏では当面、テラス席のみの営業で、テーブル数を普段の半分以下にするなどの予防策を義務付けられる。外出制限は全国で緩和され、住民は自治体内での移動が自由になった。

 イタリアは6月3日以降、欧州連合(EU)や英国、スイスなどからの入国を自由にする方針を発表した。18日以降、美術館や遺跡の観光客受け入れが認められ、ローマのボルゲーゼ美術館などが再開した。ギリシャは7月1日から、外国人観光客の受け入れを始めると発表した。

 フランスでは5月11日に外出禁止令が緩和され、パリ北方のシャンティイ城など、一部の観光地が25日までに再開した。新規感染者数の減少が順調に進めば、政府は6月2日から飲食店の段階的な再開を決める方針。都市封鎖で中断されていた統一地方選は、決選投票を6月28日に行うことも決まった。第1回投票が3月15日に行われた後、外出禁止令の施行で延期されていた。



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