スウェーデン 緩和路線「改善の余地あった」政府の主任疫学者認める


 【ロンドン=板東和正】北欧スウェーデン政府の新型コロナウイルス感染対策を率いる疫学者、アンデシュ・テグネル氏は3日、地元ラジオとのインタビューで、緩やかな制限措置を続ける同国の独自路線について、より良いコロナ対策が可能だったことは「明らかだ」と述べた。

 スウェーデン政府は製造・建設業の稼働を認めてきたほか、テーブルの間を1~2メートル離す「他者との距離」順守を条件にレストラン、バー、カフェの営業も容認してきた。だが、米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、スウェーデン(人口約1千万人)の新型コロナによる死者数は約4500人で、国境を接するフィンランド(同550万人)の約300人の約15倍にのぼり、対策が国内外で批判されていた。テグネル氏は多数の死者が出たことを受け、対策に改善の余地があったことを認めた形だ。

 ロイター通信によると、テグネル氏はラジオ番組で「もし私たちが今日と同じ知識を持って、新型コロナに遭遇していたら、スウェーデンと(厳しい外出制限を敷いた)他国の中間的な対策を講じていただろう」と話した。

 ただ一方で、テグネル氏はその後の記者会見で、「(独自路線の)戦略は優れていると信じている」とし、現時点で方針転換を行う考えがないことを強調した。



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