自ら性被害を公表したことをツイッターで中傷されたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さん(31)が8日、漫画家のはすみとしこさんと男性2人に対し、投稿の削除や計770万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、はすみさんは平成29年6月~昨年12月、伊藤さんとみられる女性を描いたイラストなど5件の投稿で名誉を傷つけたとしている。男性2人は、はすみさんの投稿をリツイートで拡散したという。代理人によると、男性2人はクリエイターと医師。
記者会見した伊藤さんは、プロレスラーの木村花さん(22)の死去にも触れ、「人を傷つけ死に追いやる言葉もある。本人の前で責任をもって言えるのか、言葉を発する前に考えてほしい」と訴えた。ほかの悪質な投稿についても投稿者を特定でき次第、提訴を検討するという。
伊藤さんは27年、元TBS記者の山口敬之氏(54)に乱暴されたとして被害届を出したが、東京地検は嫌疑不十分で山口氏を不起訴とした。一方、山口氏に対する民事訴訟では、東京地裁が「酩酊(めいてい)状態の伊藤さんと合意のないまま性行為に及んだ」として山口氏に330万円の支払いを命じた。山口氏は判決を不服として控訴している。