栃木県内企業の景況感、過去最低 先行き「見通すのは困難」


 財務省宇都宮財務事務所が11日発表した4~6月期の法人企業景気予測調査によると、栃木県内の企業の景況感を示す指数「BSI」は全規模・全産業平均でマイナス70・3となり、16年前の調査開始以来の最低水準を更新した。調査は5月半ばに行われ、118社が回答。新型コロナウイルスの感染拡大は足元で落ち着いてきたが、7月以降の先行きについて「見通すのは困難」とする企業が多い。

 BSIは、景気の動向が「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を差し引いた指数。今回は1~3月期(マイナス21・2)から大幅に悪化し、過去最低だったリーマン・ショック直後(平成21年1~3月期、マイナス54・5)を下回った。

 今後、景気が好転する時期については、大企業は7~9月期、中堅企業は10~12月期とする回答が多かったが、「わからない」との回答も目立つという。

 先行きの不透明感が晴れない中で、企業の設備投資意欲も低迷している。帝国データバンク宇都宮支店が4月後半に行った意識調査(159社回答)では、今年度に設備投資を計画している企業の割合は54・7%で、昨年度と比べ9・2ポイント低下した。

 設備投資の目的もコロナ禍で変容した。昨年度と比べ「増産・販売力増強」との回答が少なかった一方、避けられない「既存設備の維持・補修」や、在宅勤務の拡大などに伴う「IT化関連」が多くなった。

 回答企業からは「設備投資より、徹底的なコストカットにかじを切った」(サービス業)、「必要な設備更新のため、公的融資の利用を検討している」(製造業)との声が上がる。

 宇都宮財務事務所の行木寿夫所長は「経済活動が再開されてきたが、今後も厳しい状況が続くとみられ、注視が必要だ」と話している。(山沢義徳)



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