【ニューヨーク=上塚真由】ブラジル保健省は12日、国内の新型コロナウイルス感染者が82万8810人、死者が4万1828人になったと発表した。死者数は英国を抜き、米国に次いで2番目となった。同国の死者数は2日に3万人を超え、わずか10日間で新たに約1万人が死亡した。感染者数も世界最多の米国に次いで多い。
ブラジルでは州政府が3月下旬以降、独自に経済規制などの感染防止策を講じてきたが、これに対し新型コロナを「ただの風邪」と呼び、雇用と経済を重視するボルソナロ大統領が反発、対立を続けてきた。
ただ、長引く規制により、深刻な経済停滞の影響が中間層にも直撃。感染者・死者数の増加にもかかわらず、サンパウロ市などの大都市では6月に入って経済再開に踏み出しており、専門家らはさらなる被害拡大を懸念している。