韓国非難ビラ1200万枚準備、拡声器も再設置 北「報復の時刻迫る」

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南朝鮮(韓国)の「脱北者」団体による対北ビラ散布と南当局の黙認に対抗して対南ビラ散布の準備を行う関係者。朝鮮中央通信が20日配信した(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

南朝鮮(韓国)の「脱北者」団体による対北ビラ散布と南当局の黙認に対抗して対南ビラ散布の準備を行う関係者。朝鮮中央通信が20日配信した(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、韓国を非難する「歴代最大規模の対敵ビラ散布の準備が終わりつつある」と報じ、平壌の出版・印刷機関でビラ1200万枚を印刷したと伝えた。3千個余りの風船など、韓国の奥深くまで飛ばせるさまざまな散布手段も準備したとし、「報復の時刻は迫っている」と警告した。

 ビラには「各階層の人民の怒りと敵対心」が込められ、地方の印刷工場でも数百万枚を追加印刷する準備を進めているとしている。

 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮が21日から軍事境界線に沿った非武装地帯(DMZ)に韓国向け宣伝放送を流す拡声器を再設置する動きが捉えられた。南北は、敵対行為の中止をうたった2018年の首脳間の合意を受け、同年5月に拡声器を撤去していた。

 北朝鮮は、韓国の脱北者による金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を非難するビラの散布に反発。「合意は紙くずになった」と主張しており、朝鮮戦争勃発70年の25日に向けて一層、報復姿勢を強めていく可能性が高い。

 北朝鮮の朝鮮人民軍は、報復措置として、自国民が対南ビラを散布するための前線地域の開放や、経済協力事業が中断している開城(ケソン)や金剛山(クムガンサン)地区への部隊進出などを予告していた。

 韓国軍などによると、北朝鮮がDMZの監視所へ兵士を投入する動きのほか、開城地区でも数十人規模の兵士の出入りが観測されているが、大規模な部隊の移動は確認されていない。

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