旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が24日発表した令和2年4月中間連結決算は、最終損益が34億円の赤字(前期は49億円の黒字)に転落した。中間期の赤字は平成14年の上場以来初めて。新型コロナウイルス感染拡大を受けた世界的な入国制限により、主力の海外ツアーが3月以降に相次ぎ中止された影響が大きかった。
沢田秀雄会長兼社長はHISの稼ぎ頭である海外旅行事業について「今年いっぱいは無理だろう」との見通しを示した。その上で、国内旅行事業の売り上げを現状の年間570億円から1・5倍以上に増やすほか、店舗の整理など経費削減も進める計画を示した。
令和2年10月期の業績予想は未定とした。従来は売上高を7750億円、最終損益を11億円の赤字としていたが、新型コロナの影響を算定することが難しくなったという。
中間期の売上高は前年同期比8・9%減の3443億円。国内のツアーも移動自粛で大幅に減少し、2月末から3月中旬にかけて臨時休園した傘下のリゾート施設「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)の入場者は、2割程度減った。